魚から針を抜くときのムニュッとした感触とか
その場で塩焼きにして食うときの生臭さとか
素潜り中に鼻に入ってくる海水の一方的な勘違いだった初恋のようなしょっぱさとか
田舎のバスを待つ2時間のヒマさとか
鍋で淹れたコーヒーに浮かんで暴れている虫とか
砂漠の星空のした一人で社交ダンスを踊るようないたたまれない空腹感とか
お米の焦げたところの苦さとか
そういう雑多で無意味で豊かなものたちを大いに楽しんだ5泊5日だった。
世界はこんなに広くて豊かで、その懐は僕一人ゆうゆうと包み込めるくらい深い。
風に大地に海に野山に、学ぶべきことはこんなにも多いのに
テントで海の音を聞きながら飲む焼酎は多少ぬるくても実に美味で
少年は酔いやすく、学ははなはだ成りがたい。